靖国参拝

そもそも靖国神社は異質な神社だ。明治維新で神道が国家宗教になり、戦死者を祀ることを担った神社だ。元々日本人は長い間弔いを仏式でしており、今でも神式はとても少ない。つまり靖国神社は伝統ではなく、国の政策でできたものだ。勿論奈良の大仏だって国家プロジェクトだったのだから、靖国神社を伝統と言っていけない訳ではないが、充分時間が経った伝統と違い、何か国家のエゴのようなものを靖国には感じてしまう。遺族をなだめるための施設という感じだ。つまり戦争と直結した施設だ。さらに何故A級戦犯を合祀したのか？戦死ではないよね。勿論勝者の裁判で裁かれたことに、しかも事後法であることに問題はある。だが少なくとも板垣征四郎や東條英機に責任がないとはとても言えない。そこには日中および太平洋戦争を肯定するメンタリティがあったとしか思えない。今でも靖国神社のかもし出す雰囲気は国を守るための戦争というものだ。しかし国を破壊した戦争だったよね。単なる戦死者の慰霊の施設とは言えないのが靖国神社なのだ。故に国として靖国神社に何かするのは反対だ。千鳥ケ淵で充分だ。